「富貴蘭は外で育てるものだ」
そんな言葉をよく耳にします。いや目にします。
北海道は富貴蘭文化があまりないので、耳にする機会はほとんどないです(北海道にも富貴蘭愛好家はいます)

実際、外で育てる方が都合が良いのは事実です。
しかし、今は植物の室内栽培についてのノウハウが進んでいますので、以前のように「室内では育たない」「ダメ」とは言えないのではないかと私は考えております。
そもそも部屋で育てたい人もいるのに、ダメと頭ごなしに言ってしまっては、業界の停滞・衰退につながります。時代の求めに合わせた手法の探求も必要だと思います。
○外栽培のメリット
・風により通気が良くなり、根の過湿や露出部分の蒸れを防げる。また風の刺激によりエチレンが発生し、植物の徒長を抑えることが出来る。
・風が吹くので気化熱で温度を下げられる。
・太陽光にはあらゆる波長の光が含まれるので、植物に必要な光線を十分に供給できる(成長が良くなる、アントシアン系の色だしができる)。
・太陽光は人工灯と違い拡散するので、下葉までしっかりと光が当たる(光合成効率が良い、下葉が落ちづらい)
・雨水には微量な肥料分が含まれている
・室内より沢山育てられる
など
△外栽培のデメリット
・鳥獣被害(外ならでは虫の被害も)
・盗まれる可能性がある
・暑い日は世話がしんどい
・葉が汚れる
・天候の影響を受ける
・極寒地域では室内に取り込む必要がある(数が多いと地獄です)
など
これらは立派な蘭舎がある方であれば、関係ないものもあると思います。
○室内のメリット
・鳥獣被害は基本的にない(害虫は発生する可能性があります)
・盗まれない(たぶん)
・天候に左右されない
・エアコンがあれば温度管理可能
・葉が綺麗に保てる(カルキ汚れは浄水器である程度解決できます)
など
△室内のデメリット
・窓辺で育てれば鉢回しで形が寄らないようにし、光量が足りなければ機材を導入しなければならない。
・水やりの際、ダイナミックに出来ないので面倒
・風が吹かない
・超高温になる部屋は危険
・越冬が難しい場合がある
など
といった感じでしょうか。あくまで私が思いつく範囲なので、これ以外にもあると思います。
これらのメリット・デメリットを理解した上で室内栽培をすると、色々なトラブルへの対処ができます。
例えば、
☆室内栽培のポイント
・風についてはサーキュレーターを使う

サーキュレーターは水苔や葉に溜まった水滴の乾きが悪い時や高温の時に有効です。特に室温が35℃以上になる時は必ずつけた方が良いです。高温にさらされ続けると新葉が枯れ落ち、しかも重症の場合は、涼しくなっても子株が吹いても同じ症状を引きずり直りません。
というか35℃以上にはなるべくしないようにします(風を送っても緩和程度です)。
ちなみに我が家では富貴蘭の置き場はエアコンで夏26℃くらい(暑くても30℃くらい)にしているので、富貴蘭には風は当てていません(エアコンの風も当てていません、当てると葉が傷む事があります)。
※他の植物は30℃越えの部屋に置いていますが、この場合はやはりサーキュレーターを回しています。
・光は蛍光灯や育成灯を使って真上から当てています。メタルラックを用意すると設置しやすいです。白板や銀板で覆うと下葉まで光を拡散させられます。

レースのカーテン越しの光+真上から普通のLEDライトバーを結束バンドでメタルラックに固定して当てています。真上から当てた方が形が綺麗になります。
できれば育成灯を当てたいので、これから変える可能性もありますが、育成灯は強力なので距離を離すか拡散レンズなどを使用します。
私は育成灯はGL-Aが好きなのですが、メタルラックに固定する際は鋼鉄束を結束バンドで固定し、束にクリップを挟みます。

銀シートを使っていますが、白でも良いと思います。どちらが良いかは賛否が分かれるところです。
・乾きづらいので水苔量を少なくします。伝統的な植え方より、芯材を入れた方が水苔を少なく植えられます。
YouTubeでネトロンプロテクターを使った植え付け方法を紹介しています。
・潅水量を水苔の乾き具合に合わせて調整します。
乾きづらい場合は乾きかけのオシボリ程度の水分量になるようにします。カリカリに一旦水苔を乾かして、そこにチョロっと水をかけます。水を弾きますが暫くして触るとしっとりしてきますので、そこでさらに水を追加してちょうど良い水分量を探ります。3日位である程度乾く水分量が安心だと思います。
その後はカリカリになったら再度水やりです。
・肥料については十分な水のかけ流しが出来ない場合は、成分が水苔に残り水苔の劣化が早くなります。
なるべく少なく与え、乾きが良さそうな時期はしっかり水を掛け流して、肥料分を流すように努めます。または水苔を早い頻度で替えます。通常年1~2年に1回くらいの植え替えだと思いますが、年2回になるかもしれません。

我が家では液肥は住友液肥1号を3000~5000倍にして葉水しています。活力剤はリキダスやメネデールを与えますが、基本的には葉水の要領で与えています。頻度は1週目液肥、2週目活力剤、3週目お休みを繰り返します。
・冬は室温15~18℃くらいになります。冬でも成長し、来期には花も咲きます。
これはあくまでも北海道のリビングでの話ですので、一般的な越冬(寒さを経験させる)ができるのであれば、その方が無難だとは思います。
加温状態での越冬は夏と同じように光に当て水も与えます。一般的な方法を知りたい場合は、そういう育て方をしている人の情報をご参考にしてください。
我が家ではこのような工夫をして室内で富貴蘭を育てています。ただし、室温については当方北海道で、本州ほど灼熱が続きませんので、どこまで対応できるかは分かりません。
少しでもご参考になるところがありましたら、幸いです(^_^)



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